PRこの記事には広告が含まれます。 広告掲載ポリシー

税金制度解説

年収の壁178万円はどうなった【2026年版】経緯と現在の基準

公開
更新
情報の確認日

出典 8件・すべて公式ページで確認

年収の壁178万円はどうなった【2026年版】経緯と現在の基準。所得税がかからない給与収入の目安は178万円

この記事の結論

いつから
令和8年分(2026年分)と令和9年分の所得税に適用され、施行日は2026年12月1日です⁠1。2026年11月までの給与の源泉徴収事務に変更はなく、12月の年末調整で改正後の額を使います⁠1。
誰が
給与をもらう人全員に関係しますが、基礎控除104万円になるのは合計所得金額489万円以下(給与収入665万円相当)の人です⁠2⁠3。489万円超655万円以下は67万円、655万円超2,350万円以下は62万円、2,350万円超は48万円以下です⁠2。
いくら
所得税がかからない給与収入の目安は、令和6年分まで103万円、令和7年分160万円、令和8年分・9年分178万円です(給与所得控除の最低保障額と基礎控除の合計、編集部計算)⁠4⁠1⁠2。扶養親族の所得要件も62万円(給与収入136万円以下)になります⁠5。
何をする
パートやアルバイトの人は、所得税の「壁」を103万円のまま考えていないか確かめます。社会保険の加入条件(106万円の壁)と被扶養者の基準(130万円の壁)は別の仕組みなので、そちらも合わせて見ます⁠6⁠7。

補足

  • 令和8年分・9年分は、給与所得控除の最低保障額が74万円⁠1、合計所得金額489万円以下の人の基礎控除が104万円になります⁠2。合計の178万円までの給与収入なら、所得税の課税所得はゼロです(編集部計算)。
  • 財務省の法案資料では「所得税の課税最低限を178万円まで特例的に先取りして引き上げる」とされ、基礎控除などは2年ごとに物価上昇に連動して見直します⁠3。施行は2026年12月1日で、11月までの天引きは変わりません⁠1。
広告

178万円は「所得税がかからない給与収入」の目安

パートやアルバイトの「年収の壁」のうち、所得税の壁は、給与所得控除の最低保障額と基礎控除の合計で決まります。給与収入からこの2つを引いた残りがゼロ以下なら、所得税の課税所得はありません。

令和8年分・9年分は、給与所得控除の最低保障額が74万円⁠1、合計所得金額489万円以下の人の基礎控除が104万円です⁠2。合計は178万円で、財務省の法案資料も「所得税の課税最低限を178万円まで特例的に先取りして引き上げる」と説明しています⁠3。

所得税の壁の動き⁠4⁠1⁠2⁠3
1令和6年分まで:103万円給与所得控除55万円+基礎控除48万円2令和7年分:160万円給与所得控除65万円+基礎控除95万円3令和8年分・9年分:178万円給与所得控除74万円+基礎控除104万円4令和10年分以後:2年ごとに見直し物価上昇に連動して引き上げ1令和6年分まで:103万円給与所得控除55万円+基礎控除48万円2令和7年分:160万円給与所得控除65万円+基礎控除95万円3令和8年分・9年分:178万円給与所得控除74万円+基礎控除104万円4令和10年分以後:2年ごとに見直し物価上昇に連動して引き上げ
広告

103万円から178万円までの経緯

年分給与所得控除基礎控除合計
令和6年分まで55万円⁠448万円⁠4103万円(編集部計算)
令和7年分65万円⁠495万円(所得132万円以下)⁠4160万円(編集部計算)
令和8年分・9年分74万円⁠1104万円(所得489万円以下)⁠2178万円(編集部計算)
令和10年分以後69万円(5万円の上乗せ特例が終了)⁠5⁠399万円(所得132万円以下)⁠2168万円(編集部計算)

令和7年度の改正で、基礎控除は48万円から58万円に上がり、所得に応じた上乗せで95万円・88万円・68万円・63万円になりました⁠4。給与所得控除の最低保障額も55万円から65万円に上がりました⁠4。

令和8年度の改正では、基礎控除と給与所得控除の最低保障額をそれぞれ4万円引き上げ、合計所得金額489万円以下の人の上乗せ額を42万円まで引き上げ、給与所得控除の最低保障額にさらに5万円を上乗せする特例を設けました(いずれも令和8年分・9年分)⁠3。基礎控除などは2年ごとに物価上昇に連動して引き上げる仕組みです⁠3。

広告

令和8年分の基礎控除

令和8年分・9年分の基礎控除額⁠2
合計所得金額基礎控除489万円以下104万円489万円超655万円以下67万円655万円超2,350万円以下62万円2,350万円超2,400万円以下48万円2,400万円超2,450万円以下32万円2,450万円超2,500万円以下16万円合計所得金額基礎控除489万円以下104万円489万円超655万円以下67万円655万円超2,350万円以下62万円2,350万円超2,400万円以下48万円2,400万円超2,450万円以下32万円2,450万円超2,500万円以下16万円

104万円になるのは合計所得金額489万円以下の人で、給与収入にすると665万円相当です⁠3。それを超える人は655万円以下で67万円、2,350万円以下で62万円、2,350万円超はさらに下がり⁠2、「178万円」の恩恵は直接には受けません。

広告

扶養の基準も136万円・197万円に

本人の壁と同時に、家族を扶養に入れる側の基準も変わります。扶養親族や同一生計配偶者の所得要件は62万円以下(給与収入136万円以下)、特定親族(19〜22歳)は62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下)です⁠5。年末調整での書き方は基礎控除申告書の書き方で整理しています。

広告

いつから:施行は2026年12月1日

基礎控除、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件の改正は、2026年(令和8年)12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます⁠1。2026年11月までの給与の源泉徴収事務に変更はなく⁠1、12月の年末調整で1年分をまとめて精算します。毎月の天引きに使う源泉徴収税額表の改正は2027年1月1日施行です⁠1。

年末調整の流れは年末調整とはで、戻る額の目安は年末調整の還付金はいつ・いくら戻るで整理しています。

あなたの場合

あなたの状況次にやること
パートで年収170万円令和8年分は、給与所得控除74万円を引いた所得96万円から基礎控除104万円を引くとゼロ以下なので、所得税の課税所得はありません(編集部計算)⁠1⁠2。令和7年分までは課税されていた収入帯です。
パートで年収200万円所得は200万円−74万円=126万円で⁠8、基礎控除104万円を引いた22万円が課税所得です(他の控除がない場合の編集部計算)⁠2。所得税はゼロにはなりませんが、改正前より課税所得は減ります。
会社員で年収700万円給与所得は約520万円で合計所得金額489万円を超えるので、基礎控除は104万円ではなく67万円です⁠2。給与収入220万円超の場合の給与所得控除額に改正はありません⁠5。
大学生の子のアルバイトが年収190万円特定親族(19〜22歳)の所得要件は62万円超123万円以下で、給与収入なら136万円超197万円以下です⁠5。190万円なら親は特定親族特別控除を受けられます⁠5。

やらなくていいこと

  • ×所得税の壁を103万円のまま考えて働き控えをする

    所得税がかからない給与収入の目安は、令和7年分から160万円、令和8年分・9年分は178万円です(編集部計算)⁠4⁠1⁠2。103万円は令和6年分までの数字です。

  • ×178万円を社会保険の壁と混同する

    178万円は所得税の話です。勤め先の社会保険に加入する条件は週20時間以上などで月収の条件はなく⁠6、被扶養者の基準は年間収入130万円未満です⁠7。

広告

よくある質問

社会保険の壁も178万円になったのか

なっていません。勤め先の社会保険に加入する条件は週の所定労働時間20時間以上などで、月収の条件は2026年10月に撤廃されました⁠6。配偶者などの被扶養者でいられる基準は年間収入130万円未満です⁠7。詳しくは106万円の壁とはと130万円の壁とはで整理しています。

住民税はどうなるか

この記事で扱ったのは所得税の基準です。住民税の基準は、このクラスターの別の記事で整理します。

年収665万円を超える会社員には関係ないのか

基礎控除104万円の対象は合計所得金額489万円以下(給与収入665万円相当)です⁠3。それを超える人の基礎控除は、655万円以下で67万円、2,350万円以下で62万円です⁠2。令和7年分の63万円・58万円から4万円上がっています⁠4⁠2。2,350万円超は48万円から段階的に下がり、改正はありません⁠2。

広告

まとめ

  • 所得税がかからない給与収入の目安は、令和6年分まで103万円、令和7年分160万円、令和8年分・9年分178万円(編集部計算)⁠4⁠1⁠2。
  • 内訳は給与所得控除の最低保障額74万円⁠1+基礎控除104万円(所得489万円以下)⁠2。
  • 財務省の資料では「課税最低限を178万円まで特例的に先取り」、以後は2年ごとに物価連動で見直し⁠3。
  • 施行は2026年12月1日。11月までの天引きは変わらない⁠1。
  • 扶養の所得要件は62万円(給与136万円)、特定親族は197万円まで⁠5。
  • 社会保険の壁(106万円・130万円)は別の仕組み⁠6⁠7。

出典(公式ページで確認済み)

本文の小さな番号は、下の出典に対応しています。いずれも公式ページを開いて確認しました。

  1. 省庁国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A(令和8年5月)(PDF)」確認日 /確認した内容:給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円に引き上げ。基礎控除は合計所得金額2,350万円以下の場合、令和8年分以後58万円から62万円に改正(2,350万円超は改正なし)。扶養親族等の合計所得金額の要件は58万円から62万円に引き上げ。基礎控除、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件の改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用。源泉徴収税額表の改正は令和9年1月1日施行。令和8年11月までの給与の源泉徴収事務に変更はない
  2. 省庁国税庁「タックスアンサー No.1199 基礎控除」確認日 /確認した内容:基礎控除は、合計所得金額132万円以下が令和7年分95万円・令和8年分と9年分104万円・令和10年分以後99万円、132万円超336万円以下が88万円・104万円・62万円、336万円超489万円以下が68万円・104万円・62万円、489万円超655万円以下が63万円・67万円・62万円、655万円超2,350万円以下が58万円・62万円・62万円、2,350万円超2,400万円以下48万円、2,400万円超2,450万円以下32万円、2,450万円超2,500万円以下16万円、2,500万円超0円。令和8年分の規定は令和8年12月1日施行
  3. 省庁財務省「「所得税法等の一部を改正する法律案」について(令和8年2月)(PDF)」確認日 /確認した内容:所得税の課税最低限を178万円まで特例的に先取りして引き上げる。2年ごとに物価上昇に連動して基礎控除等を引き上げることとし、基礎控除の額及び給与所得控除の最低保障額をそれぞれ4万円引上げ。合計所得金額489万円(給与収入665万円相当)以下の場合の上乗せ額を42万円まで引き上げる。給与所得控除の最低保障額を5万円上乗せする特例を創設(いずれも令和8・9年分)
  4. 省庁国税庁「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A(令和7年5月30日)(PDF)」確認日 /確認した内容:改正前の基礎控除は48万円。令和7年分・8年分の基礎控除額は合計所得金額に応じて95万円、88万円、68万円、63万円(58万円に37万円、30万円、10万円、5万円を加算)。給与所得控除の最低保障額は55万円から65万円に引き上げ。扶養親族や同一生計配偶者の所得要件は48万円から58万円へ。特定親族は19歳以上23歳未満で合計所得金額58万円超123万円以下、控除額は63万円から3万円の9段階。令和7年12月1日施行、令和7年分以後の所得税に適用
  5. 省庁国税庁「令和8年分の年末調整における改正点(令和7年分との比較)(PDF)」確認日 /確認した内容:改正は原則として令和8年12月1日施行、令和8年分以後に適用。令和8年11月までの源泉徴収事務に変更はない。扶養親族等の所得要件は改正前58万円以下から62万円以下(給与収入136万円以下)へ。特定親族の所得要件は58万円超123万円以下から62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下)へ。給与所得控除の最低保障額は令和8・9年分74万円、令和10年分以後69万円。給与収入220万円超の場合の給与所得控除額に改正はない
  6. 指定機関日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」確認日 /確認した内容:短時間労働者の社会保険の加入要件のうち賃金要件(月額8.8万円以上)が2026年10月1日に撤廃された。撤廃後の要件は、週の所定労働時間が20時間以上、学生でないこと、従業員51人以上の企業に勤めていること
  7. 指定機関日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」確認日 /確認した内容:被扶養者の収入要件は年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)
  8. 省庁国税庁「タックスアンサー No.1410 給与所得控除」確認日 /確認した内容:令和8年分・9年分の給与所得控除額は、収入220万円まで74万円、220万円超360万円以下は収入×30%+8万円、360万円超660万円以下は収入×20%+44万円、660万円超850万円以下は収入×10%+110万円、850万円超は195万円。令和8年12月1日施行

この記事をつくった人

制作
お金の勉強!編集部 日本企業情報株式会社内に編成
確認
編集長(2級ファイナンシャル・プランニング技能士) 実績:新聞のコラム執筆/教育費の相談/高等学校の学校説明会/各種講演会
確認日
一次確認 /最終確認