PRこの記事には広告が含まれます。 広告掲載ポリシー
税金制度解説
ふるさと納税の仕組み【2026年版】なぜ2,000円で済むのか、流れと注意点
- 公開
- 更新
- 情報の確認日
出典 14件・すべて公式ページで確認
この記事の結論
ふるさと納税は「寄附」と「税の軽減」の組み合わせ
ふるさと納税は、名前に「納税」とありますが、法律上は自治体への寄附と、その寄附に対する所得税・住民税の軽減を組み合わせた制度です1。自分で選んだ都道府県・市区町村に寄附をすると、寄附額のうち2,000円を超える部分が、所得税と住民税から原則として全額差し引かれます(上限あり)4。
たとえば年収700万円の給与所得者(扶養家族は配偶者のみ)が30,000円を寄附すると、2,000円を超える28,000円が控除の対象です4。寄附先は生まれ故郷に限らず、全国どの自治体でも構いません1。2019年6月1日からは、総務大臣が指定した自治体への寄附だけが対象になっています5。
自己負担の2,000円は、寄附1回ごとではなく、1年間(1月〜12月)の寄附総額に対して1回だけかかります1。3つの自治体に寄附しても、自己負担は合計で2,000円です1。
なぜ2,000円で済むのか:控除の3段構造
寄附額から2,000円を引いた残りは、次の3段階で税金から差し引かれます2。
| 段階 | 計算 | 上限 |
|---|---|---|
| ① 所得税からの控除 | (寄附額−2,000円)×所得税率2 | 対象となる寄附額は総所得金額等の40%まで2 |
| ② 住民税からの控除(基本分) | (寄附額−2,000円)×10%2 | 対象となる寄附額は総所得金額等の30%まで2 |
| ③ 住民税からの控除(特例分) | (寄附額−2,000円)×(100%−10%−所得税率)2 | 住民税所得割額の2割まで2 |
③の特例分が、①②で引ききれなかった残りを全額差し引く仕組みで、これがあるから自己負担が2,000円で済みます2。③の所得税率は住民税の課税所得から求めるため、所得税の税率と異なる場合があります2。ただし③には「住民税所得割額の2割まで」という上限があり、これを超えて寄附した分は差し引かれず、自己負担が2,000円を超えます2。
所得税率は課税所得に応じて5%〜45%の7段階です6。2026年(令和8年)分の寄附では、所得税率に復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)を加えた率を使います26。
総務省の計算式に当てはめた編集部計算。所得税分は復興特別所得税を含め、端数は四捨五入しています。
所得税率10%の人が50,000円を寄附した場合、所得税分は(50,000円−2,000円)×10%×1.021で約4,900円、住民税の基本分は48,000円×10%で4,800円、特例分は48,000円×(100%−10%−10.21%)で約38,300円です(総務省の式から編集部が計算)26。3つを足すと48,000円になり、残る2,000円が自己負担です2。
上限がいくらになるかは、収入や家族構成、ほかの控除によって変わります17。目安の表と計算のしかたはふるさと納税の限度額にまとめました。なお総務省の資料では、令和9年(2027年)の寄附分から特例分の控除額に193万円の上限を設ける案が示されています5。
寄附から控除までの流れ
寄附をすると、寄附先の自治体から寄附金の受領証が届きます8。たとえば北九州市では、ワンストップ特例を希望した人に、寄附受領証明書とあわせて申請書を送っています9。確定申告では、この受領証か、国税庁長官が指定した特定事業者が発行する年間寄附額の「寄附金控除に関する証明書」を添付します8。
控除を受ける手続きは2通りです2。
- ワンストップ特例:確定申告の不要な給与所得者等で、寄附先が5団体以内の人が使えます2。寄附先の自治体ごとに申請書を出すと、所得税からの控除は行われず、その分も含めた全額が翌年度の住民税から差し引かれます2。申請書は寄附1件につき1枚で、期限は寄附した翌年の1月10日必着です1011。
- 確定申告:寄附をした翌年の3月15日までに税務署へ確定申告をします2。所得税分はその年分の所得税から還付され、住民税分は翌年度の住民税から差し引かれます2。
どちらを使うべきかの判断はワンストップ特例と確定申告の違いで、年内の締切と各手続きの期限はふるさと納税はいつまでで詳しく整理しています。
控除が反映されるのはいつか
住民税分は翌年度の住民税から控除され2、ワンストップ特例では翌年6月以降に納める分から減額されます3。控除額は住民税の通知書で確かめられます。中央区の案内では、給与から差し引かれる人は勤務先を通じて届く「特別徴収税額変更・決定通知書」の摘要欄、自分で納める人は「納税変更・決定通知」の寄附金税額控除欄に控除額が記載されます12。ほかの自治体では通知書の名前や欄が違うことがあるので、住民税の通知書の寄附金の控除の欄を探します。
確定申告をした人は、所得税と住民税の両方で控除されるため、住民税の通知に出る控除額は寄附額より小さくなります12。所得税分は確定申告後に還付されています2。
返礼品のルールと、2025年10月からの変更
返礼品は、調達費用が寄附額の3割以下で、その自治体の地場産品に限られます145。寄附に伴ってポイント等(通常の商取引の決済に伴うものを除く)を付与する事業者を通じた募集は、2025年10月1日以後に始まる指定対象期間から禁止されました14。寄附へのポイント還元を前提に寄附先を選ぶ方法は、この禁止で使えなくなりました。
返礼品として受け取った品物は、税法上は一時所得にあたります1。一時所得は、年間50万円を超えた額が課税対象です1。自治体は返礼品を提供するときに、返礼品の経済的利益が一時所得にあたることを寄附者に周知することになっています14。
制度の規模
令和6年度のふるさと納税の受入額は1兆2,728億円です5。2019年6月の指定制度の開始以降、基準に反して指定を取り消された自治体は9団体あります5。寄附先が指定を受けているかどうかは、自治体の募集ページに表示されます14。
あなたの場合
| あなたの状況 | 次にやること |
|---|---|
| 会社員で寄附先は5団体以内 | 確定申告が不要な年なら、寄附先の自治体ごとにワンストップ特例の申請書を出します2。申請書は寄附1件につき1枚で、期限は翌年1月10日必着です1011。 |
| 医療費控除などで確定申告をする | ワンストップ特例は使えないので、ふるさと納税の分も寄附金控除に含めて確定申告します13。先にワンストップの申請書を出していても、確定申告をすると申請は無効になります13。 |
| 自営業・フリーランス | ワンストップ特例の対象は確定申告の不要な給与所得者等なので、確定申告で控除を受けます213。寄附金控除の欄と、第二表の「住民税に関する事項」の寄附金の欄の両方に金額を書きます13。 |
| 初めてで上限がわからない | 給与収入と家族構成別の目安表(千代田区のサイトに掲載)で上限を確かめます7。上限を超えた分は控除されず、自己負担が2,000円を超えます2。 |
やらなくていいこと
よくある質問
住民税を払っていない人でも得になるか
控除されるのは所得税と住民税なので2、どちらも納めていない人には差し引く税金がありません。年末調整で所得税が0円になっていて住民税だけ納めている人は、住民税からのみ控除を受けるために、市区町村へ住民税の申告書を出す必要があります2。
夫の収入で妻の名義で寄附してもよいか
控除を受けられるのは所得税・住民税の納税者本人だけなので、控除を受けたい人(税金を納めている人)が、その人の名義で寄附します1。
寄附の時期は決まっているか
いつでもできますが、税の軽減は1月〜12月の年単位です1。12月に寄附した分と翌年1月に寄附した分は、別の年の所得に対する控除になります1。
年末調整で控除できるか
ふるさと納税の控除は、原則として確定申告で受けます2。確定申告が不要な給与所得者等は、寄附先が5団体以内ならワンストップ特例を使えば確定申告なしで控除を受けられます2。年末調整と確定申告の役割の違いは年末調整と確定申告の違いで整理しています。
まとめ
「ふるさと納税」の記事一覧
出典(公式ページで確認済み)
本文の小さな番号は、下の出典に対応しています。いずれも公式ページを開いて確認しました。
- 省庁総務省「ふるさと納税ポータルサイト|よくある質問」
- 省庁総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」
- 省庁総務省「ふるさと納税トピックス一覧|制度改正について(2015年4月1日)」
- 省庁総務省「ふるさと納税のしくみ|ふるさと納税の概要」
- 省庁総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)(令和8年3月24日、自治税務局市町村税課)(PDF)」
- 省庁国税庁「タックスアンサー No.2260 所得税の税率」
- 省庁千代田区「給与所得者向けの簡易表(全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安)(PDF)」
- 省庁国税庁「タックスアンサー No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」
- 省庁北九州市「ふるさと納税ワンストップ特例申請(寄附金税額控除)について」
- 省庁北九州市「ふるさと納税ワンストップ特例申請に関するQ&A」
- 省庁名古屋市「ふるさと納税ワンストップ特例制度」
- 省庁中央区(東京都)「ふるさと納税の税額控除が適用されていないとき」
- 省庁国税庁「タックスアンサー No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」
- 省庁総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用について(令和6年6月28日付け総税市第67号)(PDF)」