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年金・社会保険制度解説
社会保険とは【2026年版】年金・健康保険・雇用保険の全体像と会社員・パート・自営業の違い
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出典 15件・すべて公式ページで確認
この記事の結論
- いつから
- 令和8年度の協会けんぽの健康保険料率と介護保険料率は3月分(4月納付分)から改定され、子ども・子育て支援金率0.23%が4月分(5月納付分)から加わりました1。年金額は4月分から改定され、老齢基礎年金は受給資格期間10年以上の人が65歳から受け取れます23。
- 誰が
- 会社員は勤務先を通じて健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険に加入し、パートは従業員51人以上・週20時間以上(学生を除く)なら健康保険・厚生年金に、週20時間以上・31日以上の雇用見込みなら雇用保険に加入します45。自営業・フリーランスは国民健康保険と国民年金で、厚生年金の加入者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者(年収130万円未満かつ配偶者の年収の2分の1未満)は国民年金の第3号被保険者です6。
補足
- 会社員が給与から引かれる社会保険料は、健康保険・介護保険(40〜64歳)・厚生年金・雇用保険で、令和8年4月分からは子ども・子育て支援金が加わりました781。労災保険の費用は原則として事業主の保険料でまかなわれます11。協会けんぽ(東京)の料率は健康保険9.85%、介護1.62%、厚生年金18.3%で、本人と勤務先が半分ずつ負担します17。
- パートは従業員51人以上の勤め先で週の所定労働時間が20時間以上なら(学生を除く)健康保険・厚生年金に自分で加入します4。加入しない人は、家族(被保険者)に主として生計を維持され、年間収入130万円未満などの要件を満たせば健康保険の被扶養者になれます10。自営業・フリーランスは市区町村の国民健康保険に加入し、国民年金の保険料(令和8年度は月17,920円)を自分で納めます129。
社会保険は、暮らしのリスクに備える5つの公的な保険
社会保険は、病気やけが、老後、介護、失業、仕事や通勤によるけがや病気といった暮らしのリスクに公的に備える保険の総称です。この記事では、会社員が勤務先を通じて加入する健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険の5つと、自営業の人などが自分で加入する国民健康保険・国民年金を扱います。
| 保険 | 何に備えるか | 会社員の保険料 | 自営業 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 病気・けがの医療費。窓口負担は69歳まで3割12 | 本人と事業主が半分ずつ。東京は9.85%17 | 市区町村の国民健康保険12 |
| 介護保険 | 介護サービスの費用。保険料は40歳から1 | 40〜64歳は健康保険料に1.62%を上乗せ1 | 市区町村の案内で確認 |
| 子ども・子育て支援金 | 令和8年4月分(5月納付分)から健康保険料に加わる1 | 健康保険料に0.23%を上乗せ(折半)17 | 市区町村の案内で確認 |
| 厚生年金保険 | 老後・障害・遺族の年金 | 本人と事業主が半分ずつ。18.3%7 | 国民年金。月額17,920円9 |
| 雇用保険 | 失業等給付、育児休業給付など8 | 労働者0.5%、事業主0.85%(一般の事業)8 | 労働者性のない人は被保険者にならない5 |
| 労災保険 | 業務上または通勤によるけがや病気11 | 費用は原則として事業主の保険料11 | 労働者が対象。特別加入の制度がある11 |
労働者(パート・アルバイトを含む)を一人でも雇う事業は、業種や規模にかかわらず労災保険と雇用保険(労働保険)の適用事業になります(農林水産の一部の事業を除く)13。
働き方で何が違うか
同じ「社会保険」でも、会社員・パート・自営業では入る制度と手続きが違います。
| 働き方 | 医療 | 年金 | 失業・労災 |
|---|---|---|---|
| 会社員 | 勤務先の健康保険(協会けんぽ・健保組合・共済組合)12 | 厚生年金(国民年金の第2号被保険者)6 | 雇用保険・労災保険13 |
| パート(51人以上・週20時間以上、学生を除く) | 勤務先の健康保険4 | 厚生年金4 | 週20時間以上・31日以上の雇用見込みで雇用保険5。労災は雇用形態に関係なく対象11 |
| パート(上記以外、家族が会社員) | 家族に主として生計を維持され、年間収入130万円未満などの要件で家族の健康保険の被扶養者10 | 扶養される20歳以上60歳未満の配偶者(年収130万円未満かつ配偶者の年収の2分の1未満)は第3号被保険者(保険料の個別負担なし)6 | 週20時間以上・31日以上の雇用見込みで雇用保険5。労災は雇用形態に関係なく対象11 |
| 自営業 | 市区町村の国民健康保険12 | 国民年金(保険料は月額17,920円)9 | 雇用保険は労働者性のない人は対象外5。労災は特別加入の制度がある11 |
| 75歳以上 | 後期高齢者医療制度。窓口負担1割(一定所得以上2割、現役並み3割)12 | 老齢年金を受給 | — |
パートの健康保険・厚生年金の加入条件は、2026年10月1日に所定内賃金月額8.8万円以上の賃金要件が撤廃され、週の所定労働時間20時間以上・学生でない・従業員51人以上の3つになりました(最低賃金の減額特例を受けて月額8.8万円未満の人は原則対象外)4。雇用保険は、労働条件が就業規則や雇用契約書で明確に定められていて、週の所定労働時間20時間以上・31日以上の雇用見込みがあれば加入します5。詳しくは106万円の壁と130万円の壁、税金の扶養との違いは扶養とはで整理しています。
保険料はいくら引かれるか
会社員の保険料は、給与を区分した「標準報酬月額」に料率を掛け、健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金は本人と事業主が半分ずつ(折半額)負担します7。令和8年度の協会けんぽ(東京支部)の料率は次のとおりです。
健康保険・介護保険・支援金・厚生年金は料率の半分、雇用保険は労働者負担の率。協会けんぽ東京支部の場合で、健康保険料率は都道府県ごとに違います。
- 健康保険料率は都道府県ごとに決まり、令和8年度の東京都は9.85%(前年度9.91%)です1。40〜64歳は全国一律の介護保険料率1.62%が加わり、合わせて11.47%になります7。
- 令和8年4月分(5月納付分)からは、子ども・子育て支援金率0.23%(全国一律)が加わりました17。
- 厚生年金保険料率は18.3%で、平成29年9月分から据え置かれています7。
- 雇用保険料率は令和8年4月1日から令和9年3月31日まで、一般の事業で労働者負担0.5%・事業主負担0.85%です8。
- 労災保険の費用は、原則として事業主の負担する保険料でまかなわれ、パートやアルバイトなど雇用形態に関係なく労働者が対象です11。
自営業の人の国民年金保険料は、令和8年度は月額17,920円で、納付期限は納付対象月の翌月末日(土日祝・年末年始なら翌月最初の営業日)です9。まとめて前払い(前納)すると割引があります9。国民健康保険料は市区町村ごとに計算が違うので、お住まいの市区町村の案内で確かめます。
年金:いつから、いくら
老齢基礎年金は、保険料納付済期間と免除期間などを合わせた受給資格期間が10年以上ある人が、65歳から受け取れます3。20歳から60歳になるまでの40年間の保険料をすべて納めると満額で、令和8年度の満額は月額70,608円(昭和31年4月2日以後生まれ)です32。会社員が加入する厚生年金は、国民年金の上乗せで、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額(平均的な収入で40年間就業した場合)は令和8年度で月額237,279円です2。
| 受け取り始める年齢 | 増減率 | 根拠 |
|---|---|---|
| 60歳(5年繰上げ) | 24%減 | 0.4%×60か月14 |
| 63歳(2年繰上げ) | 9.6%減 | 0.4%×24か月14 |
| 65歳 | 増減なし | 原則の支給開始年齢3 |
| 68歳(3年繰下げ) | 25.2%増 | 0.7%×36か月15 |
| 70歳(5年繰下げ) | 42%増 | 0.7%×60か月15 |
| 75歳(10年繰下げ) | 84%増 | 0.7%×120か月(最大)15 |
60歳から64歳で受け取り始める繰上げは、昭和37年4月2日以後生まれなら1か月につき0.4%減額(最大24%)で、昭和37年4月1日以前生まれは0.5%(最大30%)です14。66歳から75歳の繰下げは1か月につき0.7%増額(最大84%)で、昭和27年4月1日以前生まれの人などは上限が70歳です15。どちらも決まった率が一生続きます1415。上の表の年ごとの率は、昭和37年4月2日以後生まれの月率から編集部が計算した値です。繰上げは請求後に取り消せません14。
医療:窓口負担と高額療養費
医療機関の窓口で払う自己負担は、義務教育就学前が2割、就学後から69歳が3割、70〜74歳が2割(現役並み所得者は3割)、75歳以上が1割(一定所得以上は2割、現役並み所得者は3割)です12。
1か月の自己負担が所得に応じた限度額を超えたときは、超えた分が高額療養費として後から払い戻されます12。入院や、同一医療機関の外来で限度額を超える場合は、窓口の支払いを限度額までにとどめる仕組み(現物給付化)もあります12。厚生労働省の計算例(70歳未満・年収約370万円〜約770万円、医療費100万円)では、窓口負担30万円のとき限度額は80,100円+(1,000,000円−267,000円)×1%=87,430円です12。
1年のスケジュール
令和8年度の協会けんぽの健康保険料率と介護保険料率は3月分(4月納付分)から改定されました(任意継続被保険者などは4月分から)1。年金額は4月分から改定され、令和8年度は基礎年金が1.9%、厚生年金の報酬比例部分が2.0%の引き上げでした2。雇用保険料率は令和8年4月1日から令和9年3月31日までの率が示されています8。
あなたの場合
| あなたの状況 | 次にやること |
|---|---|
| 会社員で給与明細の控除が気になる | 健康保険料率9.85%(東京)、介護保険料率1.62%(40〜64歳)、厚生年金保険料率18.3%の本人負担はそれぞれ半分で、標準報酬月額に掛けて計算します7。雇用保険の労働者負担は0.5%(一般の事業)です8。 |
| パートで扶養の範囲で働いている | 従業員51人以上の勤め先で週の所定労働時間が20時間以上なら(学生を除く)、2026年10月1日に賃金要件が撤廃されたので勤め先の社会保険に加入します4。それ以外の人は、家族に主として生計を維持され、年間収入130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)で同居なら家族の収入の半分未満などの要件を満たせば、健康保険の被扶養者でいられます10。 |
| フリーランスで会社を辞めたばかり | 健康保険は市区町村の国民健康保険に加入し、国民年金の保険料(令和8年度は月額17,920円、納付期限は翌月末日)を自分で納めます129。雇用保険は労働者性のない人は被保険者になりませんが、労災保険には特別加入の制度があります511。 |
| 60歳を過ぎて年金をいつからもらうか迷う | 老齢基礎年金は65歳から受け取るのが原則で、60〜64歳の繰上げは1か月につき0.4%減額(昭和37年4月1日以前生まれは0.5%)、66〜75歳の繰下げは1か月につき0.7%増額が一生続きます31415。令和8年度の満額は月額70,608円です2。 |
| 入院して医療費が高くなりそう | 70歳未満の窓口負担は3割で、1か月の自己負担が所得に応じた限度額を超えた分は高額療養費として払い戻されます12。入院や、同一医療機関の外来で限度額を超える場合は、窓口の支払いを限度額までにとどめる仕組みもあります12。 |
やらなくていいこと
×社会保険料を会社が全額払っていると考える
健康保険・介護保険・厚生年金は本人と事業主が半分ずつ負担し、雇用保険も労働者負担(一般の事業0.5%)があります78。費用が原則として事業主の保険料でまかなわれるのは労災保険です11。
×年収130万円未満なら必ず扶養に入れると考える
従業員51人以上の勤め先で週の所定労働時間が20時間以上の人(学生を除く)は、2026年10月1日に賃金要件が撤廃され、自分で社会保険に加入します4。
×年金は60歳から自動で始まると考える
老齢基礎年金の支給開始は65歳で、60〜64歳で受け取るには繰上げの請求が必要で、1か月につき0.4%(昭和37年4月1日以前生まれは0.5%)減額されます314。
よくある質問
社会保険料は年末調整や確定申告で控除できますか
給与から引かれた社会保険料は、年末調整で社会保険料控除として所得から差し引かれます。納付した国民年金保険料も全額が社会保険料控除の対象です9。国民年金保険料や国民健康保険料を自分で払った人は、年末調整の書き方か確定申告で申告します。
健康保険料率はどこでも同じですか
協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに違い、令和8年度の東京都は9.85%です1。介護保険料率1.62%と子ども・子育て支援金率0.23%は全国一律です1。健保組合や共済組合は、それぞれの規約で決まります。
年金は何年払えばもらえますか
受給資格期間が10年以上あれば65歳から受け取れます3。2017年8月1日に25年から10年に短縮されました3。満額になるのは40年間納めた場合です3。
配偶者の扶養に入ると、年金はどうなりますか
厚生年金に加入している配偶者に扶養される20歳以上60歳未満の人(年収130万円未満かつ配偶者の年収の2分の1未満)は国民年金の第3号被保険者で、保険料を個別に納める必要はありません6。第3号被保険者の期間も老齢基礎年金の保険料納付済期間に含まれます3。
まとめ
- 会社員が給与から引かれるのは健康保険・介護保険(40〜64歳)・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険。労災保険の費用は原則として事業主の保険料7811。
- 令和8年度(東京):健康保険9.85%、介護1.62%、支援金0.23%、厚生年金18.3%(いずれも半分が本人負担)、雇用保険の本人負担0.5%178。
- パートは51人以上・週20時間以上(学生を除く)で健康保険・厚生年金に加入、それ以外は年収130万円未満などの要件で被扶養者410。自営業は国民健康保険と国民年金(保険料は月17,920円)129。
- 老齢基礎年金は10年以上で65歳から、満額は月70,608円。繰上げ0.4%減(昭和37年4月1日以前生まれは0.5%)・繰下げ0.7%増(1か月あたり)321415。
- 窓口負担は69歳まで3割、高額療養費で月の自己負担に上限12。
出典(公式ページで確認済み)
本文の小さな番号は、下の出典に対応しています。いずれも公式ページを開いて確認しました。
- 指定機関全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
- 指定機関日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 指定機関日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
- 指定機関日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」
- 省庁厚生労働省(ハローワーク札幌)「Q&A ~雇用保険の加入に関すること~」
- 指定機関日本年金機構「年金用語集 第3号被保険者」
- 指定機関全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)(PDF)」
- 省庁厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内(PDF)」
- 指定機関日本年金機構「国民年金保険料」
- 指定機関日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」
- 省庁厚生労働省「労災補償」
- 省庁厚生労働省「我が国の医療保険について(PDF、令和6年6月現在)」
- 省庁厚生労働省「労働保険とはこのような制度です」
- 指定機関日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 指定機関日本年金機構「年金の繰下げ受給」