PRこの記事には広告が含まれます。 広告掲載ポリシー
投資制度解説
投資の始め方【2026年版】NISA・iDeCoの制度と商品の全体像
- 公開
- 更新
- 情報の確認日
出典 14件・すべて公式ページで確認
この記事の結論
- いつから
- NISAは2024年1月から恒久化され、非課税保有期間も無期限です1。iDeCoの掛金は65歳になるまで出せますが(一定の条件あり)、原則60歳まで引き出せず、2026年12月1日からは60歳以上70歳未満で国民年金の被保険者でない人も一定の要件で加入できるようになる予定です23。
- いくら
- NISAは年間360万円(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)、生涯1,800万円まで非課税で、iDeCoの掛金は企業年金のない会社員で月23,000円、自営業者で月68,000円(国民年金基金の掛金などを差し引く)が上限です14。NISA・iDeCo以外の口座では、上場株式等の売却益と配当(大口株主等を除く)に所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%がかかります(合計20.315%は編集部で合計)56。
- 何をする
- 近いうちに使うお金は預金に残し、投資に回す分は、長期・積立・分散を基本に少額から続けます。口座を開く前に、その金融機関が金融庁の登録を受けているかを一覧で確かめます。
投資は「制度」と「商品」に分けて考える
このカテゴリで扱うのは、お金を増やすために株式・債券・投資信託などを買う「投資」です。投資には、どの口座で買うかという「制度」(NISA・iDeCo・課税口座)と、何を買うかという「商品」(株式・債券・投資信託など)の2つの面があります。制度は税金の扱いを決め、商品は値動きと収益を決めます。この記事では、この2つの全体像を公的機関のページの数字で整理します。個別の商品の売買判断は示しません。
| 種類 | 区分 | 何が決まるか |
|---|---|---|
| NISA | 制度(口座) | 売却益・配当が非課税。年間360万円、生涯1,800万円まで1 |
| iDeCo | 制度(口座) | 掛金が全額所得控除、運用益が非課税。原則60歳まで引き出せない42 |
| 課税口座(特定口座・一般口座) | 制度(口座) | 上場株式等の売却益・配当(大口株主等を除く)に所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%。特定口座(源泉徴収あり)なら申告不要にできる56 |
| 株式 | 商品 | 会社の株。安全性△・収益性◎・流動性○7 |
| 債券 | 商品 | 国や会社が借りるために発行。安全性○・収益性○・流動性△7 |
| 投資信託 | 商品 | 集めた資金を専門家が株式・債券などで運用。安全性△〜○・収益性○〜◎・流動性○87 |
始める前に知っておく3つのこと
貯蓄と投資を分ける
金融庁は、投資を「利益を見込んでお金を出すこと」と定義し、貯蓄(お金を貯めて蓄えること)と投資の方法を使い分けることが大切だとしています7。株式や投資信託などの運用商品は預貯金より高いリターンが期待できる一方、元本割れのおそれもあります7。
金融商品を見る目安は、安全性(元本と利子の支払いが確実か)・収益性・流動性の3つで、金融庁の整理では3つとも◎の商品はありません7。預貯金は安全性と流動性が◎で収益性は△、株式は収益性が◎で安全性は△、債券はどちらも○、投資信託は安全性△〜○・収益性○〜◎です7。
預金が「安全」とされる根拠の1つが預金保険です。銀行などが破綻しても、1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます(外貨預金などは対象外)9。証券会社は、これとは別に投資者保護基金に加入しています9。近いうちに使うお金は預金に残し、当面使わないお金だけを投資に回す、というのが最初の線引きです。
長期・積立・分散:金融庁が示す考え方
金融庁は、資産形成の考え方の1つとして長期・積立・分散投資を挙げています7。
- 長期:長い期間投資を続けると、複利の効果が大きくなる7
- 積立:あらかじめ決まった金額を続けて投資する方法。少額から始められ、高値のときだけ買うといった偏りを避けられる7
- 分散:値動きが異なる複数の資産(国内/海外、株式/債券/不動産など)に分けて投資すると、価格の変動をある程度抑えられ、安定的な運用を目指せる7
この3つは「どの商品を買うか」より前にある考え方です。始めるまでの流れを整理すると次のようになります。
口座を開く前に登録業者か確かめる
金融庁は、無登録業者との取引は高リスクだとして注意を呼びかけ、無登録で金融商品取引業を行う者の名称等を掲載しています10。口座を開く金融機関が登録を受けているかは、金融庁の「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」で、金融商品取引業者や登録金融機関の一覧を検索して確かめられます11。登録を確かめてから口座を開くことが、最初の防御です。
NISA:売却益と配当が非課税になる口座
NISAは、口座の中で買った株式や投資信託の売却益と配当が非課税になる制度です。2024年1月から始まった制度は恒久化され、非課税で持てる期間(非課税保有期間)も無期限になりました1。日本国内に住む18歳以上(利用する年の1月1日時点)なら誰でも口座を開けます1。
枠は2つあり、併用できます1。
2つの枠は併用でき、合計で年間360万円まで。生涯の非課税保有限度額は1,800万円(成長投資枠はそのうち1,200万円まで)。
- つみたて投資枠:年間120万円1。2026年10月23日時点の対象商品は377本12
- 成長投資枠:年間240万円1
- 生涯の非課税保有限度額は1,800万円で、成長投資枠はそのうち1,200万円が上限1
- 商品を売却すると、翌年以降に売却した商品の簿価(取得金額)の分だけ枠が復活し、再利用できる1
- 対象商品から除かれるもの:整理・監理銘柄と、信託期間20年未満・毎月分配型・デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等1
iDeCo:掛金が全額所得控除になる私的年金
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を出し、自分で運用して、60歳以降に受け取る年金制度です2。基本的に20歳以上65歳未満の公的年金の被保険者が加入でき、掛金は65歳になるまで出せます(一定の条件があり、iDeCoの老齢給付金を受給すると掛金は出せなくなる)2。NISAと大きく違うのは、原則60歳まで引き出せないことです2。
税制上の優遇は3段階です4。
- 掛金:全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)。課税所得がない人は控除を受けられない2
- 運用中:運用益が非課税
- 受取時:年金で受け取れば公的年金等控除、一時金で受け取れば退職所得控除の対象
会社員は年末調整、自営業者は確定申告で控除するのが一般的な流れです(年末調整とは、確定申告とは)。掛金の上限は、国民年金の加入区分で決まります。
第1号被保険者は、国民年金基金の掛金や付加保険料を納めている場合はその額を差し引きます4。企業年金のある会社員と公務員の20,000円は、企業型DCの事業主掛金等と合わせて55,000円の範囲内です4。受け取りは原則60歳からですが、60歳時点の通算加入者等期間が10年未満だと開始が段階的に遅れます(8年以上10年未満なら61歳、1か月以上2年未満なら65歳など)4。手数料は金融機関によって異なります2。
公的年金の仕組みは年金・社会保険とはで整理しています。iDeCoは、その上に自分で積み増す部分です。
商品の種類:株式・債券・投資信託
株式
株式は会社が発行するもので、株価が上がったときの値上がり益と、会社が利益を分配する配当金が収益になります。株価は会社の業績や景気で動き、金融庁の整理では安全性△・収益性◎・流動性○です7。
債券
債券は国や会社がお金を借りるために発行するもので、持っている間は利子を受け取り、満期には額面の金額が戻るのが基本の形です。金融庁の整理では安全性○・収益性○・流動性△です7。個人が買える国の債券が財務省の個人向け国債で、半年ごとに利率が変わる「変動10年」と、利率が満期まで変わらない「固定5年」「固定3年」の3種類があります13。最低1万円から1万円単位で買え、金利の下限は年0.05%、毎月発行され、償還金額は額面100円につき100円です13。発行後1年たてばいつでも中途換金できますが、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます13。
投資信託
投資信託は、投資家から集めたお金を1つの大きな資金にまとめ、運用の専門家が株式・債券などに投資・運用する商品です8。1つの商品で複数の株式や債券に投資するので、少額で分散投資ができます。金融庁の整理では安全性△〜○・収益性○〜◎・流動性○で、元本割れのおそれがあります7。購入時・保有時・売却時のそれぞれで費用と税金がかかるので8、買う前に費用を確かめます。
つみたて投資枠の対象商品のうち指定インデックス投信の信託報酬(保有中にかかる費用、税抜き)は、投資先が国内のものは法令上の上限0.5%・平均0.27%、内外・海外のものは上限0.75%・平均0.34%です(金融庁の2026年10月23日時点の集計)12。
税金と口座:特定口座と源泉徴収
NISA・iDeCo以外の課税口座では、上場株式等を売って出た利益に所得税15%・住民税5%の申告分離課税がかかり、所得税には復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)が加わります14。特定口座(源泉徴収あり)では、譲渡益に相当する金額に所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%が源泉徴収されます5。上場株式等の配当(大口株主等が受けるものを除く)も、所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%が源泉徴収されます6。合わせて20.315%です(15.315%と5%を編集部で合計)。
口座は特定口座と一般口座があります。特定口座を開くと、その口座内の上場株式等の譲渡所得等が区分して計算され、源泉徴収を選べば売却益を申告不要とすることができます5。源泉徴収を選ばない簡易申告口座では、金融商品取引業者等から送られる特定口座年間取引報告書を使って簡便に申告できます5。ほかの口座の上場株式等の譲渡損益と相殺する場合や、上場株式等の譲渡損失と配当所得等との損益通算の特例を受ける場合は、源泉徴収口座でも確定申告が必要です514。確定申告の流れは確定申告とはで整理しています。
あなたの場合
| あなたの状況 | 次にやること |
|---|---|
| 何から始めればいいか分からない | まず、近いうちに使うお金と、当面使わないお金を分けます。日本国内に住む18歳以上なら、売却益と配当が非課税になるNISA口座を開けるので1、少額の積立から始めて、金融庁が示す長期・積立・分散投資を続けます7。 |
| 会社員で老後資金を積み立てたい | iDeCoの掛金は、企業年金のない会社員で月23,000円、企業年金のある会社員と公務員で月20,000円(企業型DCの事業主掛金等と合わせて55,000円の範囲内)が上限で、全額が所得控除になります4。2026年12月1日からは、企業年金と共通の限度額に一本化して月6.2万円(企業年金のある人は企業年金等と合計して6.2万円)に引き上げられる予定です3。 |
| 自営業で掛金を多く出したい | iDeCoの掛金は、国民年金の第1号被保険者で月68,000円が上限(国民年金基金の掛金や付加保険料を納めている場合はその額を差し引く)で、2026年12月1日から国民年金基金と共通の限度額として月7.5万円に引き上げられる予定です43。掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象です4。 |
| 元本割れが怖い | 銀行などの預金は、1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が預金保険で保護されます9。個人向け国債は最低1万円から買え、金利の下限は年0.05%、償還金額は額面100円につき100円で、発行後1年たてば中途換金できます(直前2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれる)13。 |
| 売却益や配当の税金が心配 | 課税口座では、上場株式等の売却益と配当(大口株主等を除く)に所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%がかかります(合計20.315%は編集部で合計)56。特定口座で源泉徴収を選べば、上場株式等の売却益は申告不要とすることができ、NISA口座なら売却益も配当も非課税です51。 |
やらなくていいこと
よくある質問
NISAとiDeCoはどちらを先に始めるべきですか
一律の答えはありません。NISAは売却した分の枠が翌年以降に復活し1、iDeCoは掛金が全額所得控除になる一方、原則60歳まで引き出せません42。60歳より前に使う可能性があるお金はNISA、老後まで使わないと決めたお金はiDeCo、という使い分けが制度の性質から導けます。
投資信託の値段はどう決まりますか
投資信託は、集めた資金を専門家が株式・債券などで運用する商品なので8、組み入れた株式や債券の値動きに応じて価格(基準価額)が動きます。金融庁の整理では安全性△〜○で、元本割れのおそれがあります7。
配当金に確定申告は必要ですか
上場株式等の配当(大口株主等が受けるものを除く)は、支払額にかかわらず確定申告をしなくてもよい制度(確定申告不要制度)があります6。確定申告をする場合は、総合課税(一定のものを除き配当控除の対象)か申告分離課税を選べます6。NISA口座で受け取る配当は非課税です1。
投資したお金は預金保険で守られますか
預金保険が保護するのは預金で、1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等です9。証券会社は預金保険ではなく投資者保護基金に加入しています9。株式や投資信託の値下がりは、どの制度でも補償されません。
まとめ
- 投資は「制度(口座)」と「商品」に分けて考える。制度は税金を、商品は値動きを決める。
- NISAは年間360万円(つみたて120万円・成長240万円)、生涯1,800万円まで非課税で、非課税保有期間は無期限。日本国内に住む18歳以上(利用する年の1月1日時点)なら開け、2027年1月から未成年者もつみたて投資枠を使える1。
- iDeCoは掛金が全額所得控除、運用益非課税。企業年金のない会社員は月23,000円、自営業者は月68,000円(国民年金基金の掛金などを差し引く)が上限で、2026年12月1日から6.2万円・7.5万円(国民年金基金と共通の限度額)に引上げ予定。原則60歳まで引き出せない432。
- 課税口座の上場株式等の売却益・配当(大口株主等を除く)は所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%。特定口座(源泉徴収あり)なら売却益は申告不要にできる56。
- 預金は元本1,000万円と破綻日までの利息等まで預金保険で保護9。個人向け国債は1万円から、金利の下限0.05%13。
- 金融庁が示す考え方は長期・積立・分散投資7。口座を開く前に、金融庁の事業者一覧で登録を確かめる11。
出典(公式ページで確認済み)
本文の小さな番号は、下の出典に対応しています。いずれも公式ページを開いて確認しました。
- 省庁金融庁「NISAを知る:NISA特設ウェブサイト」
- 指定機関国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)「iDeCoの特徴|iDeCoってなに?|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】」
- 省庁厚生労働省「2025年の制度改正(確定拠出年金制度)」
- 省庁厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」
- 省庁国税庁「タックスアンサー No.1476 特定口座制度」
- 省庁国税庁「タックスアンサー No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」
- 省庁金融庁「資産形成の基本:NISA特設ウェブサイト」
- 業界団体資産運用業協会「投資信託を学ぼう」
- 指定機関預金保険機構「預金保険制度の基礎知識」
- 省庁金融庁「金融庁からのお願い・注意喚起」
- 省庁金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」
- 省庁金融庁「つみたて投資枠対象商品の分類(2026年10月23日時点)」
- 省庁財務省「個人向け国債商品概要」
- 省庁国税庁「タックスアンサー No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」